Sustainability Report 2024

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Sustainability Report 2024

真っ黒な宇宙を背景に、鮮やかな青と白い雲が広がる、地球の図。

特集1:
INPEX Vision 2035

当社は今年2月に『INPEX Vision 2035「責任あるエネルギー・トランジション」の実現』を発表しました。INPEX Vision 2035は、昨今の経営環境や社会情勢等の変化を踏まえつつ2035年に向けた当社の長期的な戦略を示すとともに、2025年から2027年までの3年間における中期経営計画として当面の具体的な目標・道筋を新たに示すものです。石油・天然ガスを中心にエネルギーの安定供給を継続しつつ、社会全体の低炭素化に向けて着実に貢献していくことが当社の使命であると考えています。今後、当社はこの INPEX Vision 2035に基づき、我が国および世界のエネルギー需要に応えつつ、2050年ネットゼロの実現に向けたエネルギー構造の変革に積極的に貢献します。

ここでは2035年までの長期戦略と中期経営計画期間におけるサステナビリティ経営に係る取組みを抜粋して紹介します。

より詳しい内容は、特設ページ『INPEX Vision 2035』をご覧ください。

2035年に向けてINPEXが実現していくこと

成長軸 1 天然ガス/LNG事業の拡大

  • イクシスLNGプロジェクトでは、安全・安定操業を継続した上で、液化能力拡張を目指します。
  • アバディLNGプロジェクトでは、30年代初頭の生産開始を目標に中計期間中のFID1を目指します。
  • LNGトレーディング機能を強化し、より柔軟なLNG供給を実現します。
  • 早期マネタイズが可能な有望地域で探鉱を継続します。

成長軸 2 CCS/水素をコアとした低炭素化ソリューションの提供

  • これまでに培った組織能力・既存技術を活かし、エネルギーの低炭素化に取組みます。
  • 当社が参画する天然ガス/LNGプロジェクトとCCSの組み合わせによるGHG排出抑制に加え、第三者向けのGHG削減ソリューションの提供やクリーン水素の供給を推進します。

成長軸 3 INPEX「ならでは」の強みを活かしたエネルギー・資源分野での新たな挑戦

  • 総合エネルギー開発企業として、電力関連分野での事業展開を目指します。
  • 再生可能エネルギーに蓄電池やクリーンガス火力発電2といった調整電源を組み合わせ、クリーンかつ高付加価値な電力供給体制の発展に貢献します。
  • 電力供給システムを支えるために必要となる、石油・天然ガス以外の地下資源回収にも挑戦します。

1最終投資決定(Final Investment Decision)のこと

2CCSと組み合わせることやクリーン水素と混焼/専焼させることでGHGの排出を削減することを目指す

営業CF成長のイメージ

営業CF成長のイメージ (グラフィック)
* 過去・将来ともに外部事業環境を一定とした場合の概算値(2025年以降はコスト・売上ともに2.3%/年のインフレーションを考慮)

GHG排出原単位の見通し

GHG排出原単位の見通し (グラフィック)
* 2019年比の削減目標(Scope 1+2。現在の経済環境と合理的な予測を反映したものであり、技術進展、経済合理性、各国・地域の施策実現等の事業環境を前提としている)
** 2019年時点で操業していたプロジェクトについては絶対量ベースでの排出量削減を目指す。また、サプライチェーン上のステークホルダーと協働しScope3削減の取組みも並行して進める。加えてCCS、水素、再エネ事業等を通じて、社会に対し820万トン/年程度の削減貢献(製品・サービスを通じて当社が社会のGHG排出削減に貢献した量)創出を目指す

GHG排出原単位の目標達成に向けた具体的な取組みについては「気候変動」をご覧ください。

具体的な取組み

HSE(健康・安全・環境)の取組みを更に深化させます

重大な事故3 ゼロやGHG削減だけに留まらず、他の地球環境課題への対応を確実に進めていきます。

セーフティ (アイコン)

重大な事故ゼロの継続

現場におけるライフセービングルールの順守徹底、マネジメント層による現場要員との対話等、ボトムアップ・トップダウン双方のアプローチにより、重大な事故ゼロを継続します

  • 全社的な事故削減への取組みの強化
  • 全社的なプロセスセーフティ4 管理の強化
  • 全ての事業分野におけるHSE管理の確立と実践
  • マネジメント主導のHSEコミュニケーションの強化

目標達成に向けた具体的な取組みについては「セーフティ」をご覧ください。

環境汚染対策 (アイコン)

環境コミットメントの達成

GHG削減に留まらない地球環境課題への対応を実践します

  • 2025年以降開始するオペレータープロジェクトにおいて森林伐採ネットゼロの達成
  • 計画した生物多様性保全活動の実施率100%
  • 水ストレスの高い5 地域での淡水取水ゼロ維持
  • 掘削時の掘屑の、最終埋立率1%以下を維持
  • 定常作業により生じる廃棄物のリカバリー率70%以上を維持

目標達成に向けた具体的な取組みについては「生物多様性の保全と環境汚染対策」をご覧ください。

3オペレータープロジェクトにおける、死亡事故、重篤負傷、重大漏えい

4危険物質の漏えいや火災/爆発等の重大事故災害の発生を防ぐための適切な設計・建設・操業・保守を実践するためのシステムおよびプロセスの枠組み

5World Resources Instituteの定義に基づく、利用可能な淡水資源量が限られている状態

生産性を向上させるための基盤を強化します

生産性向上のための両輪として、「人材パフォーマンスの強化」と「デジタル技術の徹底活用」に取組みます。

人権 (アイコン)

人材パフォーマンスの強化

人材を惹きつける仕組みと働きがいのある職場環境整備を通じ、業務の質と効率を向上させます

人材を惹きつける仕組み “Employer of Choice”

  • チャレンジしがいのある実践的な成長機会
  • 競争力のある報酬水準の実現

人材が活躍する環境の整備 “最高に働きがいのある職場”

  • 組織体制と人員配置の最適化
  • メリハリのある評価とフェアな処遇によるモチベーション向上
  • 挑戦し続ける組織風土の醸成
    • 女性活躍支援をはじめとした、多様な人材が活き活きと働ける環境の整備
    • 組織を牽引するラインマネージャーのリーダーシップ強化
    • 「心理的安全性」と「適度な緊張感」を両立し、失敗を恐れず挑戦し続ける人材の育成

具体的な取組みについては「人的資本」をご覧ください。

デジタル技術の徹底活用

情報セキュリティを確保した上で、あらゆる分野でデジタル・AIをフル活用し生産性を高めます

操業の最適化の推進

  • 操業の最適化・自動化、設備保全の効率化を推進し、稼働率の向上・コスト最適化・安全性向上を実現
    • AI・デジタルツイン・ロボット・モバイルの活用による操業の最適化、GHGモニタリング・GHG集計の自動化、データに基づく効果的な保全計画立案

生産性向上と蓄積した知見の活用

  • 「作業」時間を、「考えて、創り出す」時間に変換
    • 地下評価作業、投資評価/財務分析等のスピードと精度を向上
  • 蓄積した知見や熟練者の技術をデジタルでフル活用
    • AI技術を通じて社内に蓄積してきた膨大なデータや熟練者の知見を最大限有効活用し、INPEX独自の意思決定を実現

具体的な取組みについては、コーポレートサイトの「DXの取組み」をご覧ください。

R&Dを通じて競争優位に事業を進めるための強みを獲得します

「INPEXが既に保有している技術・知見」と「R&Dを通じて獲得する技術・知見」を融合させ、既存事業の優位性を発展させることに加え、新規事業を創造することを目指します。

  • 戦略的にR&Dの領域を絞り込み、CCS/水素のGHG削減技術の強化等を通じて、成長軸として定める各事業においての競争優位性の確保を目指します。
  • INPEX社内のリソースと社外の技術リソースを融合させ、効率的にR&Dを進めます。また、オープンイノベーションのコア施設として新たなイノベーションセンターの建設に向けて動き出します。
R&Dを通じて競争優位に事業を進めるための強みを獲得します (グラフィック)