緊急時対応と事業継続計画への取組み
当社は、あらゆる緊急事態に対応するため、緊急時対応要領・BCPを策定しており、危機的状況においても原油・天然ガスの供給を続けるインフラ企業としての責任を果たすべく準備を整えています。
緊急時対応
当社では、火災・爆発・油流出などの各種の事故や、地政学リスクや感染症、自然災害等の近年の動向も踏まえた緊急時対応計画を準備し、訓練を通じて対応力の強化に努めている他、世界各地に出張・駐在する社員の安全確保のためのセキュリティ管理も継続的な強化・改善を図っています。
当社では、緊急事態レベルに応じた緊急時対応体制を整備しています。最も危機レベルの高い緊急事態が発生した場合においては、代表取締役社長を危機管理統括責任者とするコーポレート危機対策本部を設置し、当社全体で情報共有体制を確立し、全社的な対応策を定め実行します。2020年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に際しては、コーポレート危機対策本部を設置し、当社全体で情報共有体制を確立し、全社的な対応策を定めて実行しました。
また当社では、コーポレート部門や国内外の事業体、操業現場それぞれにおいて緊急事態に備えた対応体制を構築するとともに、外部の対応組織との協力体制を整え、万が一の緊急事態発生に備えています。国内外のオペレーション事業体では、リスクアセスメントの結果抽出されたMAE(Major Accident Event:重大事故事象)を含め、年間計画に基づく緊急時対応訓練を単独、または本社と連携した形で実施し、定期的に、緊急時対応関連文書の検証と更新を行うとともに、必要設備や備品の維持・拡充や、緊急事態発生時の組織間の連携の習熟に取り組んでいます。具体的な取組みについては「セーフティ」をご覧ください。
事業継続計画(BCP)
大規模自然災害対策
当社では、当社の事業拠点それぞれで起こり得る自然災害のリスクを評価し、地震や大雨洪水など、それぞれの自然災害に関する適切な予防・低減策を実施するとともに、万が一の事態に備え、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、被害にあった際にも人命を守り、また迅速に事業を復旧させるための準備を整えています。
また、本社地域では首都直下地震想定のBCPおよび初動対応マニュアルを、内閣府中央防災会議による被害想定などを踏まえ、整備しています。当社における事業継続の方針として、人命の安全確保・環境保全を前提とした、エネルギー供給の維持などを優先する全社共通の価値観を明確にするとともに、BCPなどにおいて、代行拠点の設定や休日・夜間時に被災した際の対応、会社からの帰宅ルールなどを規定しています。
令和6年能登半島地震への対応
2024年1月1日に発生した能登半島地震による上越市での震度5強の揺れを受け、直江津 LNG基地の稼働を停止したものの、国産ガス、導管にある天然ガスおよび他社からの融通により、顧客への天然ガスの安定供給を継続いたしました。また、津波警報・注意報解除後には、速やかに安全確認を進め、一日もたたずに基地からの送ガスを再開いたしました。これは内陸地殻内地震としては日本でも稀な大きさでしたが、全ての従業員が安全第一で作業にあたり、怪我人もなく極めて早期に送ガスの再開のため迅速に対応し、エネルギーの安定供給という当社の使命を果たすことができました。
また、被災者の方々や被災地支援に役立てていただくため、義援金3,000万円および公益財団法人日本財団を通じて軽油5,000ℓを寄付するとともに、柏崎市と上越市の当社社員寮では、津波警報を受けて避難して来られた地域住民の方々を受け入れ、うち上越市では備蓄食料の提供も行いました。
感染症への取組みおよびその流行に関するリスク管理
当社は、あらゆる感染症のパンデミックに対応するため、かねてより感染予防マニュアルを策定、さらに、パンデミック発生時の危機に対応するBCPを策定し、危機的状況においても原油・天然ガスの供給を続けるインフラ企業としての責任を果たすべく準備を整えています。