Sustainability Report 2024

ダウンロードセンター

Sustainability Report 2024

コーポレートガバナンス

基本的な考え方

当社は、エネルギーの開発・生産・供給を、持続可能な形で実現することを通じて、より豊かな社会づくりに貢献することを経営理念としております。この経営理念のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、株主をはじめとするステークホルダーとの協働により社会的責任を果たすとともに、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うことを目的としてコーポレートガバナンスの充実に取り組みます。

「コーポレートガバナンスに関する基本方針」および「コーポレートガバナンス報告書」については、コーポレートサイトの「コーポレートガバナンス」をご覧ください。

マネジメント体制

経営理念に基づき、効率的な企業経営と実効性の高い監督を実現するため、業務に精通した取締役による業務執行を監査役が監査する監査役設置会社の機関設計を採用しています。また、急速に変化する経営環境および業容の拡大に的確・迅速に対応するため、業務執行体制の更なる強化を目的として執行役員制度を導入し、一層機動的かつ効率的な経営体制の強化を図っています。

当社では、各国政府や国際的なエネルギー企業等との重要な交渉機会が多く、これには当社事業に関する知識・技術並びに国際的な経験を有し、業務に精通した社内出身の取締役・執行役員があたる必要があると考えており、社内出身の取締役は原則として執行役員を兼務することで、取締役会が現下の経営環境・事業環境を把握したうえで最適な業務の執行を決定するとともに、実効的な経営の監督機能を発揮する体制を確保しています。 また、経営の透明性の向上と取締役会の実効的監督機能の強化を図る観点に加え、独立した立場から、自らの知見に基づく助言、経営の監督、利益相反取引の監督を行うとともに、ステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させることで社内出身者とは異なる客観的な視点を経営に活用するため、取締役会全体の3分の1以上を独立社外取締役で構成することとしています。この独立社外取締役には、資源・エネルギー業界や財務・法務その他の分野において、企業経営経験者、学識経験者又はその他の専門家等として、豊富な経験と幅広い見識を有する社外の人材を選任することとしています。

当社取締役会の多様性については、女性の社外取締役および社外監査役をそれぞれ1名選任しているほか、外国籍の取締役を1名選任しており、ジェンダーおよび国際性の面において、着実に進展しています。なお、監査役を含む取締役会構成員における女性役員は2名、その割合は13%となります。このほか、内部昇格による女性執行役員も2名選任しており、当社マネジメント体制全体の多様性も確保しています。

取締役会メンバーの更なる多様性の確保および適正な取締役会の人数規模・構成については、指名・報酬諮問委員会にて議論を深化させ、その議論の内容を取締役会にフィードバックすることとしています。なお、ここでの多様性とは年齢、ジェンダー、職務経歴、専門分野、多様な文化的な経験と幅広い見識等を含みます。

また、当社の監査役は、全5名中4名が独立社外監査役であり、かつ監査役の独立性と監査の実効性を確保し、監査機能の強化を図るべく、法令に基づき監査役会を設置するとともに監査役の職務を補助するための組織である監査役室に専任の監査役補助者を複数名置き、更に内部監査部門(監査ユニット)や会計監査人との連携を強化するなどの取組みを行っています。なお、会計監査人内の業務執行社員のローテーションは公認会計士法に則り適切に実施されており、連続して7会計年度を超えて監査業務に関与していません。また、筆頭業務執行社員については、連続して5会計年度を超えて監査業務に関与していません。

さらに、当社では、「社外取締役・監査役と代表取締役の会合」、「社外取締役と監査役の会合(会計監査人を含む場合あり)」、「監査役と代表取締役の会合」など、社外取締役、代表取締役、監査役、会計監査人などが出席する各種会合を定期的に開催し、経営上の重要な課題や、内部統制システム構築・運用状況、その他コーポレートガバナンスに係る事項などについて幅広く意見交換しています。

コーポレートガバナンス体制図

コーポレートガバナンス体制図
指 (グラフィック)

取締役および取締役会

取締役会は、株主に対する受託者責任を認識した上で、実効的なコーポレートガバナンスの実現により、十分な監督機能を発揮するとともに、経営の公正性・透明性を確保し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることを責務としています。

当社の取締役会は10名で構成され、うち5名は独立社外取締役です。効率的な議事運営の観点から、業務に最も精通した代表取締役社長が取締役会の議長を務めることとしています。

取締役会は、原則として毎月1回開催するほか、必要に応じて随時開催し、経営戦略や重要な業務執行について審議・決定するとともに取締役の職務の執行を監督しています。

また、グローバルな経営環境の変化への即応性を高めるとともに、経営責任をより明確化するため、取締役の任期について定款において1年としています。

取締役および取締役会の出席状況と活動状況

2025年4月1日時点における締役会の構成および2024年度の取締役会の出席状況は以下のとおりです。第19回定時株主総会招集ご通知及び株主総会資料 P22および58

全取締役の取締役会への出席状況(2024年度)

役職 

氏名

職掌

取締役会への出席状況

代表取締役社長

上 田 隆 之

100%(15回/15回)

代表取締役 副社長執行役員

藤 井   洋

欧州・中東事業本部長

1

取締役 副社長執行役員

大 川 人 史

総務本部長兼オセアニア事業本部長、
海外事業統括

91%(11回/12回) 2

取締役 専務執行役員

山 田 大 介

財務・経理本部長

100%(15回/15回)

取締役 専務執行役員

滝 本 俊 明

経営企画本部長、法務担当、コンプライアンス担当、低炭素事業統括

100%(15回/15回)

取締役(社外)

柳 井   準

取締役(社外)

100%(15回/15回)

取締役(社外)

飯 尾 紀 直

取締役(社外)

100%(15回/15回)

取締役(社外)

西 村 篤 子

取締役(社外)

100%(15回/15回)

取締役(社外)

森 本 英 香

取締役(社外)

100%(15回/15回)

取締役(社外)

ブルース・ミラー

取締役(社外)

1

1

2025年3月28日に就任したため、該当事項はありません。

2

2024年3月26日の就任後の状況を記載しております。

* 2024年3月26日に退任した代表取締役北村俊昭氏、取締役橘高公久氏、取締役佐瀬信治氏は出席対象となる取締役会3回の全てに出席しております。

** 2025年3月28日に退任した代表取締役川野憲二氏、取締役西川知雄氏は2024年度の取締役会15回の全てに出席しています。

具体的な検討内容

具体的な検討内容

 

審議件数

個別案件

(石油・天然ガス分野)

イクシスプロジェクト現況、海外プロジェクト現況、国内プロジェクト現況、確認埋蔵量確定値、生産量実績・見通し 等

32

(ネットゼロ5分野)

ネットゼロ5分野現況 国内外個別案件 等

10

コーポレートガバナンス

株主総会関連、取締役会実効性評価、指名・報酬諮問委員会報告、コーポレート・ガバナンスに関する基本方針他各種方針の改定、各種規程の改定、役員人事・報酬、D&O保険、責任限定契約、監査計画、内部監査報告 等

30

経営戦略・事業戦略・市場との対話

株価の推移及び投資家コメントのフィードバック、中期経営計画の進捗・総括、次期Vision策定議論、広告活動方針、国内事業分社化、経営諮問委員会報告、組織改編、政策保有株式の検証、株主還元方針

20

財務・経理

決算・予算、資金調達計画、財務年度計画 等

13

HSE

HSE定例報告 等

12

コンプライアンス

コンプライアンス活動報告、英国現代奴隷法等への対応報告

3

サステナビリティ

サステナビリティを巡る課題への取組み、統合報告書及びサステナビリティレポート発行 等

3

 

合計

123

監査役会

当社は監査役制度を採用し、5名の監査役により監査役会を構成し、うち4名は社外監査役です。これらの社外監査役4名は、当社の事業や財務・税務・国際金融・経営等の分野に関する豊富な経験と知識を有しており、それらを監査業務に活かしております。また、監査役の職務遂行を補助するため、執行部門から独立した組織である監査役室を設置し、これに必要な適正な知識、能力を有する専任の使用人を4名配置しています。監査役会は、原則として取締役会開催同日に月次で開催されるほか、必要に応じて開催されています。監査役会は、監査計画を含む法定事項などを決議するほか、内部監査部門および会計監査人からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めています。また、監査役間で、監査活動で把握した課題などにつき情報共有を図るとともに、必要に応じて議論を行っています。

2024年度は合計15回の監査役会を開催し、以下のとおり全監査役が全ての監査役会に出席しています。

監査役

役職

氏名

2024年度の監査役会出席率

常勤監査役

川村明男

100%(15回/15回 )

常勤監査役(社外 )

刀禰俊哉

100%(15回/15回 )

常勤監査役(社外 )

麻生憲一

100%(15回/15回 )

監査役(社外 )

秋吉 満

100%(15回/15回 )

監査役(社外 )

木場弘子

100%(15回/15回 )

各種諮問委員会

当社では、取締役会の諮問機関として、取締役の指名、報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化し、コーポレートガバナンス体制のより一層の向上に資することを目的として、委員の過半数を、独立社外取締役で構成し、委員長を社外取締役とする「指名・報酬諮問委員会」を設置しています。

2025年4月1日時点における指名・報酬諮問委員会の構成および2024年度における指名・報酬諮問委員会の出席状況は以下のとおりです。

指名・報酬諮問委員会

 

氏名 

出席状況

委員長

柳井準(独立社外取締役)

100% (6回/6回)

委員

飯尾紀直(独立社外取締役)

100% (6回/6回)

委員

西村篤子(独立社外取締役)

100% (6回/6回)

委員

上田隆之(代表取締役社長)

100% (6回/6回)

<具体的な検討内容>

(指名)

  • 新たなINPEX Vision 2035および中期経営計画の検討状況
  • 2025年12月期 新執行役員体制
  • 2025年4月以降の新組織における執行役員体制
  • 社内・社外取締役に求める要件(再定義)
  • 後継者計画
  • 取締役および代表取締役候補者
  • 取締役および監査役のスキルマトリックス

(報酬)

  • 報酬水準の妥当性検証(ピアグループとの比較)
  • 取締役報酬額の改定
  • 取締役および執行役員に対する株式報酬制度の一部改定
  • 取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の一部改定
  • 2024年12月期 会社業績、経営指標の実績、各部門業績
  • 業績連動報酬(賞与・株式報酬)KPIの実績
  • 2024年12月期 取締役賞与・株式報酬支給案

(指名・報酬)

  • 年間協議スケジュール

その他業務執行にかかる委員会はこちらをご覧ください。

財務報告に係る内部統制

当社の財務報告に係る内部統制の整備および運用は、代表取締役社長が責任を有しております。また、企業会計審議会が公表した「財務報告に係る内部統制の評価および監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価および監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備および運用しており、取締役会に報告のうえ、内部統制報告書を発行しています。

2024年度 取締役会全体の実効性評価結果

当社は、取締役会全体が適切に機能しているかを定期的に検証し、課題の抽出と改善の取組みを継続していくことを目的として、取締役会全体の実効性の評価を毎年実施し、その結果の概要を開示することとしております。この方針に基づき、第10回目となる2024年度の評価を実施いたしました。評価方法及び結果の概要はこちらをご覧ください。

スキルマトリックス

当社の取締役会は、2050年ネットゼロの実現に向けたINPEX Vision 2035 「責任あるエネルギー・トランジションの実現」を実行するため、多様且つ豊富な経験や見識を有する取締役および監査役による構成としております。

取締役及び監査役のスキルマトリックス

 

 

 

分 野

役職

 

企業経営
組織運営

グローバル

財務・会計

法務・
リスクマネジメント

サステナビリティ

技術・DX

エネルギー

営業・販売

人材開発・
ダイバーシティ

取締役

社内

上田 隆之

 

 

 

 

社内

藤井 洋

 

 

 

 

 

社内

大川 人史

 

 

 

社内

山田 大介

 

 

 

 

 

 

社内

滝本 俊明

 

 

 

 

社外

柳井 準

 

 

 

 

社外

飯尾 紀直

 

 

 

 

 

社外

西村 篤子

 

 

 

 

 

社外

森本 英香

 

 

 

 

 

社外

ブルース・ミラー

 

 

 

 

 

監査役

社内

川村 明男

 

 

 

 

 

 

社外

刀禰 俊哉

 

 

 

 

 

 

社外

麻生 憲一

 

 

 

 

 

 

社外

秋吉 満

 

 

 

 

社外

木場 弘子

 

 

 

 

 

 

* は、特に期待する分野を示したものであり、対象者の有する知識・経験の全てを示すものではありません。

スキルマトリックス各項目の選定理由

スキル項目

選定理由

企業経営・組織運営

エネルギー事業を取り巻く複雑な経営環境下において、当社の経営理念に基づいた中長期的な経営戦略・経営計画を策定・実行し、その実効性を監督するため、経営・組織運営全般に関する幅広い知識・経験が必要。

グローバル

当社が展開するグローバルな事業を的確に遂行し、それらの適切な監督を行うため、地政学、政策等に関する知識・経験が必要。

財務・会計

当社の中期経営計画で掲げる財務指標、効率性指標等の目標達成に向けた戦略の立案・実行及びそれらの適切な監督のため、財務、会計、税務に関する知識・経験が必要。

法務・リスクマネジメント

当社経営・事業に関する国内外の法令等の遵守を含む適切なリスクマネジメントの実行及びその監督を行うため、法務・コンプライアンス・コーポレートガバナンス・リスクマネジメント等に関する知識・経験が必要。

サステナビリティ

サステナビリティ憲章及び環境安全方針に基づき、当社事業やバリューチェーンを通じて各種課題への取組みを推進するとともに、その取組み状況の監督を行うにあたり、HSE(健康・安全・環境)及びサステナビリティ経営に関する知識・経験が必要。

技術・DX

エネルギー安定供給と事業の低炭素化実現に資する、技術・DXに係る戦略の立案・実行及びそれらの適切な監督のため、E&P事業全般に関する技術的知見や、デジタル・専門技術を活用した多様なエネルギーや脱炭素ソリューションの開発・革新(イノベーション)・進展に関する幅広い知識・経験が必要。

エネルギー

「責任あるエネルギー・トランジションの実現」に向けた当社エネルギー事業戦略の立案・実行及びそれらの適切な監督のため、中核事業に限らず、再生可能エネルギー及びCCS・水素・アンモニアをはじめとする多様なエネルギーの事業化、開発、生産、操業に関する幅広い知識、経験が必要。

営業・販売

国内外の全ての顧客に対する最適な商品・サービスと付加価値の提供、販売先の拡大に向けた新たな顧客へのマーケティング戦略の立案・実行及びそれらの適切な監督のため、多様なエネルギーの営業、販売に関する知識、経験が必要。

人材開発・ダイバーシティ

グローバル企業として責任ある経営を持続的に推進するためには人材の多様化と価値観を共有できる人材の育成が重要であると考えていることから、人材開発・ダイバーシティに係る戦略の立案・実行及びそれらの適切な監督のため、人事、教育、女性活躍推進等の分野における多様な知識、経験が必要。

取締役の報酬等

報酬の基本方針

当社の取締役の報酬は、以下を基本方針としています。

  • 当社の経営理念の実現に向けた、優秀な経営人材の確保・維持に資するものであること
  • 当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上への貢献意識を高めるものであること
  • 株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、透明性・客観性の高い報酬制度であること

当社は、当該基本方針に基づき、当社の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針について以下のとおり取締役会において決議しております。なお、取締役の個人別の報酬等の決定にあたり、取締役会の諮問機関として、委員長および委員の過半数を社外取締役とする指名・報酬諮問委員会がその原案について、当該決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っていることから、取締役会もその答申を尊重し、決定方針に沿うものと判断しています。

報酬水準

当社の取締役の報酬水準は、外部調査機関のデータを活用し、同規模企業群や類似業種をピアグループとした役位ごとの水準にかかる調査・分析を行った後、指名・報酬諮問委員会において妥当性を検証のうえ、取締役会の決議により設定します。また、外部環境の変化等に応じて、適宜見直しを行うものとします。

取締役の報酬構成

当社の取締役(社外取締役を除く)の報酬構成は、役位ごとの職務内容等に応じた「基本報酬」、短期インセンティブ報酬としての「賞与」、中長期インセンティブとしての「株式報酬」から構成され、その内容等は下表のとおりです。なお、社外取締役の報酬は、その職務の独立性の観点から、「基本報酬」のみで構成しています。当社の取締役に対する「基本報酬」と「賞与」を含む報酬額は株主総会で承認された金額の枠内で支給します。

取締役会の報酬構成

 

内容

水準やKPIなど

取締役の基本報酬

  • 各取締役の役位ごとの職務内容に基づき、月例の固定報酬として支給する金銭報酬です。
  • 上記に加え、委員を兼任する社外取締役、その他、職務遂行上経費等の支給が必要とされる社外取締役に対し、手当として支給する金銭報酬です。

外部調査機関のデータを活用し、同規模企業群や類似業種をピアグループとした役位ごとの水準にかかる調査・分析を行い、指名・報酬諮問委員会において妥当性を検討しています。

取締役の賞与
(社外取締役を除く)

  • 単年度の会社業績や担当部門業績を勘案した毎年6月に支給する業績連動型の金銭報酬です。
  • 会社業績指標は、当社の主要な財務指標である親会社の所有者に帰属する当期利益(以下「当期利益」)と探鉱前営業キャッシュフローに加え、非財務指標として当社の使命であるエネルギーの安定供給を果たす上で不可欠となる安全指標(重大な事故ゼロ)を採用し、これらの目標達成度に応じて下表の評価ウェイトに基づき報酬額を算定し、最終的な報酬額は0~200%の範囲内で変動します。

賞与のKPI

評価
ウェイト

財務指標

当期利益

45%

探鉱前営業キャッシュフロー

45%

非財務指標

安全指標(重大な事故ゼロ)

10%

取締役及び執行役員の業績連動型株式報酬(社外取締役を除く)

  • 当社の中長期的な業績及び企業価値向上への取締役の貢献意識を高めることを目的とした業績連動型の要素と、取締役の自社株保有を通じて株主との利害共有意識を強化することを目的とした固定型の要素を併せた取締役の退任後に支給する株式報酬です。
  • 役位ごとに株式報酬基準額を定め、当該基準額の一部を業績連動(Performance Share)、残りを非業績連動(Non-Financial Performance Share)の株式報酬として構成します。
  • 業績連動部分に係る会社業績指標は、中期経営計画における主要な財務指標である当期利益・探鉱前営業キャッシュフロー・ROE・ROIC・総還元性向に加えて、主要な非財務指標である温室効果ガス排出原単位を採用し、これらの目標達成度に応じて、下表の評価ウェイトに基づき報酬額を算定し、最終的な報酬額は0~200%の範囲内で変動します。
  • 非業績連動部分は、株主との利害共有意識を強化する観点から、交付株式数が固定された株式報酬として支給します。
  • 株式報酬は、信託型株式報酬制度を通じて支給します。本制度は、制度対象者に対して、役位や業績などに応じたポイントを毎年付与し、原則として制度対象者の退任後に、累積したポイント数に相当する当社株式を信託から交付するものです。
  • また、株式報酬は、取締役などに重大な不正・違反行為などが発生した場合、当該取締役などに対し、本制度における当社株式などの交付などを受ける権利の喪失または没収(マルス)、交付した当社株式など相当の金銭の返還請求(クローバック)ができるものとします。

株式報酬のKPI

評価
ウェイト

財務指標

当期利益

30%

探鉱前営業キャッシュフロー

30%

ROE

10%

ROIC

10%

総還元性向

10%

非財務指標

温室効果ガス排出原単位

10%

目標達成度が100%の場合の社長の基本報酬、賞与、株式報酬の比率は概ね50%:30%:20%となるように設定しています。

取締役の報酬決定プロセス

当社は、取締役の報酬の決定に係る取締役会機能の独立性・客観性と説明責任を強化するために、取締役会の諮問機関として、委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会を設置しており、同委員会の答申を受け、取締役会において取締役の報酬の額又はその算定方法に係る決定方針を定めています。

指名・報酬諮問委員会は、原則として年4回以上開催することとし、取締役報酬等の額および算定方法並びに個人別の報酬等の内容の決定方針に係る主要事項を審議の上、取締役会に対して助言・提言を行っており、取締役会はその助言・提言の内容を最大限に尊重して意思決定を行います。なお、取締役の個人別の報酬支給額(担当部門業績評価を踏まえた賞与の最終支給額等)については、当社の経営状況を最も熟知している代表取締役社長が、取締役会決議により一任を受け、同委員会の助言・提言に基づき決定します。

当社を取り巻く外部環境や社会・経済情勢等に鑑み、業績連動報酬に係る目標値や算定方法等の妥当性について、指名・報酬諮問委員会において慎重に審議を行った上で、取締役会の決議により、各取締役の報酬額算定に調整を加えることがあります。

なお、当社の役員で、これらの連結報酬等の総額が、金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令」の定める開示基準である1億円以上である者が存在しないため、役員ごとの連結報酬等の総額を開示していません。

取締役・監査役に対するトレーニング

当社は、取締役および監査役がその役割・責務を適切に果たせるよう、新任者には当社の事業、経営戦略などの重要な事項および事業に関するリスクについて説明し、また、各取締役および各監査役には必要なトレーニング(専門家による研修、現場視察など)の機会を提供しています。2024年は、社内取締役に対して1回、社外取締役に対して4回実施され、この内2回は、リスクに関する説明を含んでいます。

また、中東地域情勢などの外部専門家を招聘し、取締役会向けに講演会・意見交換会を定期的に実施するなど、取締役会の連携強化・業務知識の向上に努めています。