リスク管理
当社は、事業実施国の環境に関する法規制の遵守に加え、オペレータープロジェクトによる負の影響を最小限に抑えるために、国際標準(ISO31000及びISO17776)に準じ、当社HSEMSの運用を通してHSEに関するリスクを特定、分析、評価し、リスクが許容可能なレベルに低減したことを確認した上で事業を実施しています。詳細は「セーフティ」および以下の「環境社会リスク、影響の特定・評価(ENVID、ESIAの実施)」をご覧ください。
2024年度も、環境(大気、水、廃棄物等)に関する重大な環境法令違反は発生していません。今後も国内外の関係部署と連携し、環境法令の遵守、環境リスク管理、及び環境汚染対策を徹底します。
環境社会リスク、影響の特定・評価(ENVID、ESIAの実施)
当社は、新規オペレータープロジェクトの初期段階に、潜在的な環境リスクを特定し、リスク低減策を策定するためのENVID(Environmental Risks Identification)を実施しています。
通常、ENVIDは、計画されているプロジェクトや作業の担当者、技術者、環境専門家等、各分野の専門家が参加し、Workshop形式で開催されます。また、ENVIDにおけるリスク評価の際には、当社のRisk Assessment Matrix(RAM)を用い、全社的に統一感のあるリスク評価を実施しています。
また、環境や社会に著しい影響を及ぼす可能性がある事業については、環境社会影響評価(ESIA: Environmental and Social Impact Assessment)を実施し、事業がもたらす影響の特定、評価を行ったうえで、環境社会影響管理計画を策定し、影響の低減、管理に取り組んでいます。
HSE監査(環境)
HSEMSが確実に運用されていることを評価するため、毎年HSE監査プログラムを策定し、すべてのオペレーション事業体及びコーポレートHSEユニットに対して定期的にHSE監査を実施しています。HSE監査は、コーポレートHSEユニットがオペレーション事業体に対して実施するコーポレートHSE監査と、オペレーション事業体が管理下にある鉱場等の拠点に対して実施する内部監査と、2つの階層の監査により構成されています。コーポレートHSE監査は、原則として全てのオペレーション事業体に対して3年毎に実施され、オペレーション事業体におけるHSE内部監査は、全ての拠点に対して毎年実施されます。2024年度は、8つのオペレーション事業体の内操業や建設作業を実施している4つのオペレーション事業体を対象に、それぞれの階層におけるHSE監査が実施されました。これらのHSE監査を通じ、当社事業に関する環境上のリスクや影響、機会を特定、管理し、組織全体の環境パフォーマンスの監視、改善に取り組んでいます。
上記HSE監査に加えて、当社の長岡鉱場においては、ISO14001で定められる内部・外部監査も実施しています。また、HSE監査にあたっては、国際的に認証されたIRCAと同等のトレーニングを終了した社内のLead Auditorにより実施されています。