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2023

Sustainability Report 2022 (for FY2021)

Sustainability Report 2022 (for FY2021)

社内役員と社外役員の座談会

当社は2015年度から継続的に取締役会の実効性評価を実施し、抽出された課題への対処を通じて実効性向上を図ってきました。また、本年2月に長期戦略と中期経営計画「INPEX Vision @2022」を公表しました。

これらを踏まえて、当社取締役会の実効性や当社経営の未来などをテーマに座談会を開催しました。

秋吉 満 監査役(社外監査役)

佐瀬信治 取締役 専務執行役員 総務本部長

西村 篤子 社外取締役

橘高 公久 取締役 専務執行役員
経営企画本部長 法務担当

西川 知雄 社外取締役

テーマ 1

取締役会の実効性について

佐瀬取締役 当社役員に就任されて西村取締役は4年、西川取締役は2年、秋吉監査役は3年が経過しましたが、当社の取締役会について、構成・雰囲気・運営、あるいはご就任当初から変化したことなどにつきどのような印象をお持ちでしょうか。

西村取締役 取締役就任以降の数年間は、エネルギー企業にとってはまさに転換期と重なり、気候変動問題への対応や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による社会経済への深刻な影響、地政学的リスクの高まりなどにより、取締役会においても、個別プロジェクトの議論を超えた、INPEXの中長期的な戦略に関する議論や、競争力・企業価値の向上を実現させるための議論に、より多くの時間が充てられるようになっています。運営面でもそうした中長期的な課題の議論の機会を確保するため、社外役員向けの事前説明会の充実や、審議事項の絞り込み、資料のタイムリーな共有など実効性強化のための具体的な取組みが進められている印象です。

取締役会メンバーの多様性確保の観点でも、取締役12名のうち5名が社外取締役であり、また監査役も5名中4名が社外監査役となっており、多様な知見を持つメンバーによる幅広い視点からの活発な議論、充実した審議がなされていると評価しています。

国内外の操業現場を訪問する機会の充実にも取り組まれており、施設見学や現地従業員との懇談を通じて大規模なプロジェクトのオペレーターシップを担う重要性を理解できたことや、オーストラリア訪問時には政府関係者や先住民の方々との意見交換を通じて、現地の考えや期待に直接ふれたことは社外役員にとって有意義でした。こうした取組みは今後も続けてほしいと思います。

西川取締役 取締役会の実効性向上に向けて、執行部や事務局がさまざまな努力をされている印象です。

事前説明会の実施や経営会議における議論の明示などにより論点を明確化した上で、取締役会での執行部による議案説明は簡潔になされていることで、案件ごとに最適な審議時間が確保されています。また、各社外取締役・監査役からの指摘について、適切にフォローアップがなされ、適宜改善が図られており、充実したサポート体制が敷かれていると思います。

取締役の多様性については、本年も新たな陣容となりましたが、十分確保されていると思います。さまざまなバックグラウンドを持つメンバーにより、議論においては多様な意見が出されており、これに対して経営陣が聞く力を発揮されていることで案件審議に際して複眼的な検討・考察が可能となっています。

社外取締役の割合については、当社は上場会社であると同時に、日本のエネルギー政策の一翼を担う存在であり、その特性を踏まえあるべき取締役会の姿を考えるべきでしょう。

多様な知見を持つメンバーによる幅広い視点からの活発な議論、充実した審議がなされていると評価しています。

西村 篤子

秋吉監査役 この3年間で取締役会の議論の活性化が進んできたと思います。当社取締役会は、各社外役員に、議論へ積極的に関与しようという姿勢がみられることに加え、社内役員も活発に議論に参加されることが極めて印象的です。闊達な議論を行える雰囲気の醸成に、取締役会として引き続き注力いただきたいと思います。

取締役会の構成については、人数規模の点では実質的な討議が可能である現状の規模感が適切だと思います。また、取締役会の多様性の観点では、INPEX Vision @2022などに掲げた当社の課題を解決するための人選を進めていくことが必要でしょう。これらに並行して、取締役会の知見向上を図るために、特に脱炭素への対応として、技術面での理解促進や、グローバルな需給を含めたエネルギーの最新状況の情報共有・意見交換の場を引き続き提供することを期待しています。

佐瀬取締役

事前説明会の充実や、各種専門家による講演会など、取締役会メンバーの知見向上や理解促進につながる取組みを継続しつつ、新型コロナウイルス感染症収束後には、国内外の現場見学の機会も確保していきます。

当社取締役会は、各社外役員に、議論へ積極的に関与しようという姿勢がみられることに加え、社内役員も活発に議論に参加されることが極めて印象的です。

秋吉 満

テーマ 2

INPEX Vision @2022や昨今の事業環境を踏まえた当社経営の未来について

橘高取締役 本年2月に「長期戦略と中期経営計画(INPEX Vision @2022)」(以下、Vision)を発表しました。Vision策定に当たり社外役員の皆さまにも活発に議論いただきましたが、改めて完成したVision、そして当社の未来についてのお考えをお聞かせください

また、Visionでは持続可能性=サステナビリティを全面に掲げましたが、「INPEXのサステナビリティ」についても、あわせて御意見を伺えたらと思います。

西村取締役 Visionについては、社外取締役・監査役にも十分な情報を提供いただいた上で、取締役会でかなりの時間をかけて議論しました。2021年に発表した“今後の事業展開”策定時の審議を踏まえながら、更なる議論を経て2月に発表したVisionは、エネルギー情勢が不安定化・複雑化する今の状況にも十分に耐え得るような内容に出来上がったと考えています。エネルギーの安定供給の重要性は一層高まりながらも、脱炭素の潮流は中長期的に続いていくと考えており、ESG投資の流れも益々強まる中で、クリーンで多様なエネルギーの開発・安定供給に主導的役割を果たしていくというVisionはINPEXの未来、あるべき姿を示せているでしょう。この先進む道は平坦ではありませんが、急速に事業の幅を広げている中で、取締役会としては、今まで以上に執行サイドとタイムリーに情報共有し、INPEXの立ち位置をしっかりと把握した上で経営判断をしていきたいですね。

Vision発表からまだ数か月しか経っていませんが、既に適切な組織改編を行い、I-RHEX(INPEX Research Hub for Energy Transformation)という技術研究拠点を立ち上げるなど、Vision達成に向けて「エネルギーの新しい風」を起こそうという意気込みを感じ、たいへん期待しています。

また、INPEXのサステナビリティについては、「社会が必要とするエネルギーを持続可能な形で供給する」というVisionへの取組み、そしてその成果が重要な基盤となるでしょう。また、当然ながら事業そのものだけでなく、ESG含むあらゆる面でサステナブルであるために、弛まぬ努力が必要だと思います。

ネットゼロカーボンに向けた取組みとエネルギーの安定供給の両立、会社全体でこの難題に向き合っていきたいですね。

西川 知雄

西川取締役 ネットゼロカーボンに向けた取組みとエネルギーの安定供給の両立は、まさに世界が向き合っている難題であり、企業を取り巻く環境も不確実性が高まっています。この環境下で絶対的に正しい経営判断というのはあり得ず、むしろ、どんな状況でも即座に対応できるような体制をつくっていくのが一番現実的だと考えています。そのために私たち社外役員が果たせる役割は、コーポレートガバナンスが機能しているかをきちんと確認し、機動的な体制づくりに貢献することです。

当然ながら役員だけが会社を支えているわけではなく、従業員が会社を盛り上げていくことが、今のような転換期には益々重要となるのではないでしょうか。その手段として、例えば利益を十分に従業員に還元することも必要でしょうし、INPEXに在籍していれば最先端のネットゼロカーボン分野に携わることができるという魅力的な会社であることも必要です。会社全体でこの難題に向き合っていきたいですね。

佐瀬取締役 今回、Visionでも「最高に働きがいのある会社にする」という基盤整備に向けた取組みを掲げています。その重要性を肝に銘じて取り組んでいきたいと思います。

秋吉監査役 エネルギーの安定供給とネットゼロカーボン社会の実現の両立は、グローバルなサステナビリティ上の課題であり、当社はこれに正面から向き合っています。この課題を乗り越えるためには、従業員のエンゲージメントも今こそ高めていかないといけないでしょう。人材の確保、そして育成は、当社の未来に直結する重要な課題であると考えています。特に人材の確保は、是非早い段階で取組みを強化していただきたいです。

西村取締役 私も優秀な人材の確保は重要な課題だと思います。私は現在大学でも教鞭をとっており若い世代と関わる機会がありますが、彼らは地球規模の課題の存在を自分事として認識しています。そして、そうした課題になんらかの形で関わっていきたいという思いを持つ人が多いのです。INPEXはまさにこの地球規模での課題解決や、SDGsの目標達成に貢献できる企業であるということを、自信を持ってアピールしていくべきです。今回のVisionは若い世代にはたいへん魅力的に感じる内容だと思うので、対外的にも積極的にPRいただければと思います。

西川取締役 人材育成という観点では、他業種の企業などの若手・中堅社員間での定期的な勉強会や意見交換の機会を設けることも有効です。意外と自分の業界以外のことは知らない人も多く、他の世界を知ることで仕事のアイデアも増えると思います。

橘高取締役 組織の一体感を生み出すためにも、当社の強みを生かした積極的な経営をしていく必要があると思います。ネットゼロ5分野についても今後当社の強みにしていけるよう、社外役員の皆さまから多面的な意見をいただいて取り組んでいかなければならないと考えています。

秋吉監査役 ネットゼロ5分野の中でも、特に水素・アンモニアやCCUSはINPEXが長年積み上げてきた強みを生かせる分野なので特に期待しています。

西村取締役 この先数年間の投資の配分をどうするのかという点は、INPEXの未来を左右する話です。変化する情勢を的確に把握しつつ、しっかりと長い目で見ていかなければならないですね。

西川取締役 必ずしも自社だけでやろうとせず、日本のエネルギー産業をけん引する立場として、産学連携なども積極的に活用いただけたらと思います。

佐瀬取締役

本日は貴重なご意見をいただきありがとうございました。御意見いただいた点も念頭に置いて更なる取締役会の実効性向上に努めるとともに、INPEX Vision @2022への取組みを加速させてまいります。