Sustainability Report 2022

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Sustainability Report 2022

基本的な考え方

当社は、エネルギーの安定供給とエネルギートランジションへの取組みを両輪で推進し、事業やバリューチェーンを通じて気候変動をはじめとしたサステナビリティの課題に取り組むことを、サステナビリティ経営の基本的な考え方としています。この考え方のもと、当社のステークホルダー及び当社事業の双方にとって重要度の高いサステナビリティに関する重点テーマを中心にサステナビリティ経営を実践しています。

サステナビリティ推進体制

当社は、サステナビリティに関する経営トップの考えを明確に発信し、サステナビリティに関する基本方針を審議し、全社的・体系的なサステナビリティ活動を推進する目的で、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置しています。委員として代表取締役、総務本部長、経営企画本部長(同委員会副委員長)及びコンプライアンス委員会及びコーポレートHSE委員会の両委員長が出席し、両委員会との連携を図っています。2022年は2回開催され、審議された事項は、経営会議及び取締役会にて議論されました。

また、サステナビリティ推進委員会の下部組織として、各本部の実務者レベルで構成するサステナビリティ推進ワーキンググループ並びに気候変動対応推進ワーキンググループを設置し、全社横断的な協議推進体制を整備しています。

サステナビリティ推進体制図

1 INPEX Value Assurance System:プロジェクトの価値向上及び推進に関する当社の意思決定に資することを目的とした審査会

国連グローバル・コンパクトへの参加

当社は、2011年より国連グローバル・コンパクトに署名をしており、国連グローバル・コンパクトが提唱する人権・労働・環境・腐敗防止に関する4つの分野の10原則への支持を表明しています。2012年より、国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンに設置されているサステナビリティに関するさまざまな分科会の活動に継続的に参加しています。

国連グローバル・コンパクトの10原則

<人権>

企業は、

  • 原則1.国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、
  • 原則2.自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである。

<労働基準>

企業は、

  • 原則3.組合結成の自由と団体交渉の権利の実効的な承認を支持し、
  • 原則4.あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、
  • 原則5.児童労働の実効的な廃止を支持し、
  • 原則6.雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである。

<環境>

企業は、

  • 原則7.環境上の課題に関する予防原則的アプローチを支持し、
  • 原則8.環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、
  • 原則9.環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである。

<腐敗防止>

企業は、

  • 原則10.強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである。

国連グローバル・コンパクトに関する詳細は国連ウェブサイトをご覧ください。

業界団体への参加

当社は、事業及びサステナビリティの目標達成に向け、IOGP(国際石油・天然ガス生産者協会)、APPEA(オーストラリア石油探鉱開発協会)、Ipieca(石油・天然ガス業界における環境や社会課題に関する国際的団体)に加盟しています。これらの団体に参加することで、当社のビジネスプラクティスやガバナンス、安全、環境、経済、社会的パフォーマンスにおける継続的な向上を目指しています。これらの団体は、当社の気候変動に関するコーポレート・ポジションと一致し、パリ協定の目的に沿ったエネルギー転換を支援する立場にあります。また、日本国内では、エネルギーの安定供給や、業界の健全な発展を図るべく、石油鉱業連盟、天然ガス鉱業会、日本ガス協会に加盟しています。これらの団体への加盟は、エネルギー業界にとって重要な事項に関する集約的な意見を提供することなどにより、政府や行政当局との健全かつ適切な関係構築するための当社の取組みを支えるものです。

その他、産油・ガス国の透明性を高めるイニシアティブであるEITI(Extractive Industries Transparency Initiative)、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が主導する「チャレンジ・ゼロ」(チャレンジ ネット・ゼロカーボン イノベーション) に参加、新エネルギー財団、水素バリューチェーン協議会に加盟しています。

サステナビリティに関する重点テーマ

当社はISO26000の7つの中核主題の中から当社にとっての重要度が高く、ステークホルダーにとっても重要度の高い6つのテーマをサステナビリティに関する重点テーマとして特定しています。当社の重点テーマは、ダブルマテリアリティの原則に沿って、当社のサステナビリティだけでなく、外部のステークホルダーや環境などに大きな影響を与える可能性のある課題を特定した上で、優先順位をつけて特定されています。

サステナビリティに関する6つの重点テーマ

さらに、テーマごとに当社が優先的に行うべきアクションを「重要課題」と特定し、当社のPDCAサイクルに組み込み、継続的に改善がなされるようになっています。また、2017年には従来の重要課題に持続可能な開発目標(SDGs1の観点を取り込み、4つのステップから成る重要課題特定プロセス((1)課題抽出・整理、(2)ステークホルダー・ダイアログ、(3)課題の優先順位付け、(4)マネジメントレビュー)を通じたマッピングを実施し、重要課題の見直しを行いました。

2022年3月には、同年2月に発表した「長期戦略と中期経営計画:INPEX Vision @2022」に合わせて実施された、主要なステークホルダーとの対話を基に見直しを行っています。重点テーマと重要課題については、社内外のステークホルダーとの対話を通じて年に1回見直されます。その結果は代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ推進委員会にて承認され、取締役会に報告されています。

1 Sustainable Development Goals:2015年9月の「国連持続可能な開発サミット」で、人間、地球及び繁栄のための行動計画として掲げられた17の目標と169のターゲット

INPEXの重要課題

  • ガバナンス体制の強化
  • リスクマネジメント体制の強化
  • 人権の尊重
  • 法令遵守及び贈収賄・汚職防止
  • サプライチェーンリスク管理
  • 重大災害防止
  • 労働安全衛生の確保
  • 生物多様性保全・水リスク管理
  • 地域社会・先住民に対する影響評価、低減策の実施
  • 地域経済への貢献
  • 気候変動対応目標達成の推進とTCFD 提言に沿った情報開示
  • ネットゼロ5分野の推進
    • 水素・アンモニア
    • CCUS
    • 再生可能エネルギー
    • カーボンリサイクル・新分野
    • 森林保全
  • 石油・天然ガス分野のクリーン化とガスシフト
  • 最高に働きがいのある会社の実現